Stand By Me

そこは海アメの発祥の地とされ仲間内では総本山と称されている（笑
９０年代初め頃から雑誌などで江ノ島海岸が紹介されるようになり現在に至っているのだが、それ以前の先人達は情報に乏しくも湖用の高番手タックルを駆使し殆ど手探り状態で厳寒の日本海へ向っていたのだろう。

今ではメソッドも確立されつつあるが地元フィッシャーの意見を取り入れた専用タックルも開発されるなど進化は留まるところを知らない・・
そんな折、最新の釣り事情にはすっかり時代遅れの感が否めないオイラが、それまで敬遠していたダブハンを手にしたのは昨年末の事である。



大して知識も無いまま購入してしまったそのロッドは地元ショップのオリジナルで正に海アメ専用・・それも島牧専用らしいロッドを手にしてしまったのだ。
友人達にはデビューを即されていたが、それでも厳寒の日本海でフライロッドを降る根性など無くルアーロッドを（これも一応海アメ専用なのだが・・）しばらく携えていた。



そして、１月下旬・・総本山ではないがようやく海アメデビューの決心をした。
詳しくはおやじ殿のブログで紹介されていたところだが、幸運にも釣れてしまったのである(^^;
ロッド長１６フィート、ライン指定１２番と言う未知のタックルで４０クラス程度のアメマスでは明らかにオーバータックルだろう？と想像していたが、荒波にもまれ筋肉隆々のファイターは直径１５ｍｍ以上はあろうバットを伸すパワーにはすっかりやられてしまった感がする。
その数週間後、ついに総本山デビューを果たしてしまった。
ルアーでは何度も訪れた総本山ではあるが、その日は何時もと気持ちの高ぶりが違うのである。
その日は風も穏やかでダブハン初心者にはありがたいのだが、島牧フリークのフライフィッシャーがズラリと並ぶのである。
SIMMS、PATAGONIAなどの高級フィッシングウェアに身を包みキャスティングを見せつけ、アメマスとファイトしようものなら一斉に注目を浴びてしまう・・・
総本山はそんなフライフィッシャーが集う殿堂のようなもの・・・
海岸へ降りるまで暫く躊躇していた・・・(^^;小心者です。。
そこへ同行した海アメマスターの友人から「釣れたよぉ！来ないのぉ？」と携帯メール・・
そして、デビューの瞬間が来てしまったのだが、小心者でも総本山の女神は微笑んでくれた。
４０そこそこのチビではあるが、友人に教えてもらった定番ミノーをしっかり咥えてくれて初ゲットを果たすことが出来た。



そして、先週末に再び総本山へ向った。
予報だと波はまぁまぁ・・天気もまぁまぁ・・何とかなるかな？と現地へ入ると前日までの情報とはうってかわり、現着が夜中で確認できないが波の音から３～４枚の大きな波が押し寄せている状況は容易に想像できた。
戦意喪失のまま朝の天候を信じ車中での眠りに付く・・
窓を叩く音に目が覚めた。
窓の外には、今となっては相手にされない程の海アメエキスパートとなってしまった旧知の友人が笑っている。
波は若干穏やかになりつつあり風もそこそこ・・・同行の友人に即されながら準備・・・
海岸へ降りるとそこは所謂釣り銀座状態で入る隙間が無い！
諦めかけた頃、既に何本か上げていた旧知の友人、そして見渡せば他にも何人か友人達がいるではないか！って事で間に入れてもらい実釣開始・・・。
慣れないリトリーブでも指に伝わるテンションで潮が左へ流れているのがわかる。
右後方からサウスポーのオイラにはありがたいゆるい風が吹きだしりリーダーが綺麗にターンオーバーしフライがポチッとその先に落ちたのが見えた。
テンションを感じながらリトリーブ開始間もなく？？？根がかり？・・・じゃないんだなぁ！
グングンとダブハンで初めて味わう感触！
かなり近寄ってきたが波打ち際が勝負と聞いていたが、それが理解できた。
波間に魚体の影が映るのだが打ち返す波でなかなか寄せることが出来ない。
隣で釣っていた友人のアドバイスもありバレる事も無く波に乗せ一気に引きずり上げた。
バッタンバッタンと砂浜で跳ねる６０に届くであろう海アメに頬擦りし抱擁したい気持ちを押さえ、あえてクールに振舞ったが友人の祝福の言葉が嬉しかった。



そそくさとリリースを済ませ、慣れないライン裁きでぐちゃぐちゃになったランニングを整え、再びキャスト・・
風に旨く乗って距離を伸ばすことができた。
カウントダウンをとってリトリーブ開始と同時に？？
流石に今度はバイトとわかるそのアタリに冷静なつもりでファイトを堪能しあがってきたのはさっきと同サイズの♂だった。



この日、幸運の女神は友人達それぞれにご褒美与えてくれた。
今の島牧、先人達の苦労の賜物であり、今日、こうしてビギナーズラックの幸運に恵まれたのも周りの友人達の心遣いのお陰である。
最新情報と最新のウェアー、最新鋭のタックル、そして最新のシンセマテリアルで巻かれたフライが錯綜するフライフィッシャーマンの殿堂“島牧”（笑
時代遅れな男も偶には島牧も良いものだと感じた海アメ釣行でした。
本当に偶にか？（笑